冬芽と樹皮を観察しよう 後編
3月になり、暖かい日が増えてきました。
春が来る前に、円山公園にある樹木の冬芽と樹皮を観察してみませんか。
パークセンターで発行している「円山公園樹木まっぷ」は、
園内の80種類の樹木をリストにした、シンプルで分かりやすいマップです。
樹木まっぷを片手に園内を散策して見つけた
樹木の冬芽や樹皮を写真でご紹介いたします。
「冬芽と樹皮を観察しよう 前編」に続いて、今回は後編をお届けいたします。
ヨーロッパクロマツの樹皮
公園内の道路に面して並んでいるヨーロッパクロマツは、養樹園時代に裏参道の並木として植えられていたものの名残だそうです。開拓期の歴史を今に伝える樹木の一つ。樹皮は名前の通り黒っぽく、老木の特徴である亀甲状の裂け目が目立っています。
ケヤキの樹皮
北海道に自然分布はないとのことで、札幌市内では庭園樹や公園樹として植えられたものになります。老木の特徴で樹皮が剥がれ、波紋模様が現れています。しばらく眺めていたくなるような独特の雰囲気があります。
ユリノキの樹皮
樹皮は細かく縦に避け、裂け目はまるで彫刻刀で彫ったように明瞭です。
写真は、昨年の6月に撮影したユリノキの花と葉。
花と葉も特徴的のある樹木ですが、樹皮に注目したのは初めてでした。
サワシバの樹皮
山地の谷間や沢筋に生えるサワシバ。シラカバなどと同じカバノキ科です。6月頃にイモムシのような果穂が見られます。
ウダイカンバの樹皮
老木の樹皮は、紙状になって横向きに剥がれやすいという特徴があります。ウダイカンバもシラカンバなどと同じカバノキ科。灰色っぽく、他のカバノキ科と比べて幹が太いです。
松根油採取跡
戦争末期、戦闘機の燃料などの調達が難しくなり、不足した石油の代替品に使うため、松ヤニを採取した時の跡です。当時、全国各地で松根油(マツから採取する油)の増産や松ヤニを採取する作業が行われたそうです。
ここからは、園内で見られる冬芽と葉痕の「おもしろ顔」コレクション!人の顔や動物の顔に見える冬芽を探してきました。1枚目と3枚目はヒツジ、2枚目はサルに見えませんか?クルミの仲間は、複葉で葉が大きいものは葉痕も大きいので、観察しやすいです。
アジサイ
アジサイの葉痕はハート形で、不思議と小動物の顔に見えました。とても小さいので、虫眼鏡やルーペを持って探してみると良いと思います。頂芽は裸芽で葉脈が見えます。側芽は薄い芽鱗をかぶっています。
サワグルミ
眠っている顔に見えませんか?冬芽は先のとがった円筒形で毛が縦に並び、葉脈が確認できます。
オニグルミ
頂芽が大きく円錐形で短毛が生えています。葉痕はT字形でヒツジの顔に見えます。円山動物園のバス停付近は、目線の高さで冬芽と葉痕を観察できます。
円山公園の歴史を古い樹木から感じたり、葉痕のおもしろ顔を探してみたり。テーマを決めて散策すると、冬の園内散策も十分楽しめると感じました。
円山公園パークセンターの受付窓口では「円山公園樹木まっぷ」を1部50円で販売しています。
樹木まっぷを片手に円山公園を散策してみてはいかがでしょうか?冬芽の「おもしろ顔」は樹木まっぷにのっていないので、公園スタッフにご質問くださいね。