樹々のはなし
サクラ その後
サクラが終わって2ヶ月ほど経ちました。花の終わったサクラは緑の葉で覆われ、ごく普通の木に見えますが、よく見ると実がなってます。エゾヤマザクラのサクランボですね。(写真右)
ソメイヨシノも数は少ないですが、同じような実をパラパラとつけています。ただ、この実の種を蒔いてもソメイヨシノとは違う形質のサクラになるでしょうね。(写真左)
両者の実とも、小鳥たちのごちそうになってるのでしょうね。
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オニグルミの実生苗
公園内を歩いていると、あちらこちらに樹木の実生が見られます。中でもオニグルミはところかまわず?芽を出して、30~40cmくらいに伸びてます。クルミの実は大きくて、風で飛んでいかないので、親木周辺の、実の落ちたところだけに生えそうなものですが、クルミの木から遠いところの花壇や、園路縁、建物や舗装の隙間など、いろいろな所から発芽しています(左写真)。
円山公園は円山原始林と隣接して、自然の動植物の豊かな公園です。中でもエゾリス、シマリスは人気者で、来園者の目を楽しませてくれます。
オニグルミをせっせと運んでくれるのはエゾリスで、秋に落ちた実をあちらこちらの土の中に埋めてまわり、冬の食料の貯蔵をします。
その食べ残した実が春になって芽を出します。リスが埋める深さは、クルミにとってちょうどいい深さらしいです。クルミは美味しい実を提供するかわりに、繁殖を広げるのを手伝ってもらってるのですね。
自然の野山では、植物同士の競争などで自然淘汰され、条件のよかった個体が成長していきます。公園や畑、庭などでは大木になるクルミを放置しておくと大変なことになるので、小さいうちに抜き取りします。
抜いてみると、地中にはまだ腐っていないクルミの実があり、二つに割れて芽が出ているのがよくわかりますよ。
森の小さな林業家ですね。自然のしくみは旨くできているものです。
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マタタビもの
この時期になると、森の縁の少し日の当たるところに、所々白い葉のあるツル性の植物がみられます。
とてもよく目立ちますね。この植物はネコちゃんが好むマタタビです。 ツル性の樹木で、雄花のみつける雄株と、めしべとおしべのついた両性花をつける株があります。
葉の白いのは、はじめは緑色で、この時期白くなり、また緑色に戻ります。白い部分は葉緑素が無いのではなく、葉の中に、一時的に光を乱反射する層が形成されるため、白く見えるとのことです。受粉の時期に虫などをおびき寄せるためという説が有力です。不思議ですね。
右の写真は両性花です。真ん中の、白くぱらっと開いたのがめしべの先ですね。
左の写真は雄花です。葯のついたおしべしかありませんね。
このあと、先のとがった長細い果実になり、黄色く熟すと食べられます。
マタタビの名は、旅をしていて、疲れた時、この実を食べると元気がでて、再び旅することができるという 説がありますが、アイヌ語の『マタタムブ』からきたというのが有力なようです。
葉はよく目立ちますが、花は葉陰に隠れています。とても可愛い花なので、株を見かけたら花や葉を観察してみてください。
北海道には、この白い葉がピンクがかるものがしばしば見られますが、こちらはミヤママタタビで、近い種類です。この他、同じマタタビ科マタタビ属に、サルナシがあり、北海道ではコクワと呼ばれ、キーウイのような甘い実をつけ、とても美味しい山の幸です。