カタツムリの不思議
第4回まるやま野生動物カフェが10月1日におこなわれ、今回のテーマは『カタツムリ』でした。
ちょっとマイナーな生き物にどれくらいのお客様がいらっしゃるか不安でしたが、定員以上のご参加がありました。
講師の森井悠太さん(北大大学院農学研究院)は、生き物にとても詳しく、カタツムリに到達するまでのさまざまな質問にも、面白く、的確に答えられていました。カタツムリの調査は地味で大変そうなのですが、「わくわくかたつむりタイム!」と楽しそうに紹介していたのが印象的でした。
カタツムリは、世界中に3万5千種もいて、両生類や哺乳類よりもずっと多いとのこと。
人間や鳥など一般的に動物は、外見上左右対称な造りになっているのですが、カタツムリは殻があるので非対称になる。そのカタツムリを主な餌としているヘビの中には、歯の数が右と左で変わってしまったものもいるのだとか。
森井さんの研究では、原生林と二次林では、生息するカタツムリの種数や個体数が大きく異なる結果で、伐採から100年以上経った二次林ても森の生態系は元に戻っていないとのことでした。原始林が残る円山には、豊富なカタツムリの個体群が存在する可能性があり、とても魅力的とのことで、うれしいですね。
その一方で、円山原生林のカタツムリに外来ナメクジの脅威が迫っているのだそうです。2006年に茨城県で初めて見つかった外来種のマダラコウラナメクジが、円山公園にもいることが2012年に確認されました。しかも、原始林の円山登山道沿いで、今年は何百個体も確認されていて、昨年に比べると何倍も多いようす。マダラコウラナメクジの実態調査は、毎日、円山を登山される市民の協力で進められています。